15日、中山競馬場で行われたスプリングS(3歳・牡牝・GII・芝1800m)は、先団でレースを進めた桃山みらい騎手騎乗の1番人気トウホクハヤガーレ(牡3、栗東・守屋徹平厩舎)が、直線で逃げ馬を捕らえ先頭に立ち、中団から伸びた2番人気エイシンフラッシュに1.1/2馬身差をつけ優勝した。勝ちタイムは1分47秒6(良)。
さらに3/4馬身差の3着に3番人気ヴィクトワールピサが入った。
勝ったトウホクハヤガーレは、父オールドハバナ、母トウホクメンカ、その父トウケイニセイという血統で、これが重賞初制覇。先日小倉大賞典を優勝した全兄トウホクテストに続いた。
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期待馬に悲願の2勝目だ。1番人気のトウホクハヤガーレが鋭い決め手を発揮し、未勝利戦以来の勝利で重賞初タイトルをゲットした。降り続く雨で湿った馬場も、中山の急坂もお構いなし。桃山は「あまり得意ではない坂のある直線だったけど、すごいいい脚を使ってくれて強い競馬をしてくれました」とパートナーをたたえた。
レース運びは完璧だった。スタートを決めて道中は3番手をキープ。逃げ馬に睨みを効かせながら折り合いに専念し、4角で外へ持ち出すと一気にはじけた。ステッキは直線で抜け出す時に使っただけ。最後まで余裕のある勝利だった。
「器は優に重賞級」と評されながら、未勝利脱出後は勝ちきれないレースが続いた。その間に兄のトウホクテストが一足先に大仕事。守屋師も「アレが先に勝つとは思わなかったね…多少の焦りはあったけど、結果的に兄弟揃っていい結果が出せてよかった」と胸を撫で下ろした。
これで足踏み状態から一歩前進。だが「春のうちに(種牡馬入りを)決めておきたい」と指揮官は語気を強める。レース後は放牧に出され、次走は平坦コースの京都新聞杯が有力。兄も同時期の始動を見込んでおり、揃ってオールドハバナ産駒初の種牡馬入りへ進撃する。